電子カルテを利用したICTの実現
ICTとはなんでしょうか。
最近よく聞くようになった言葉ですが、これは「インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー」の略で、「情報通信技術」のことを意味しています。
インターネットのような通信技術を使ったサービス全般をこの単語で呼ぶことになっています。
これは医療とは違う通信販売とか情報処理の産業にのみ当てはまるようなイメージがありますが、実際にはこれからの医療の世界でもこのICTの考え方はどんどん取り込まれて行くことになるというのが実情です。
九十年代の末の頃から電子カルテが導入されるようになり、患者の容態についての情報は紙ではなく電子データとして記録されるようになりました。
これによりカルテ閲覧や管理の手間が削減されたことは言うまでもありませんが、こうしたデータがインターネット上で通信されることにより、今までは不可能だった医療機関同士の連携が可能になったという側面もあるのです。
患者のカルテ情報が即時でやり取りできるようになったことで、地域を包括するケアシステムが構築され、個々に存在していた医療施設が一個の巨大な病院のように機能することができるようになりました。
こうして情報の伝達をしながら個々の病院が患者に対し、もっとも合理的と判断できる医療を施そうと尽力する。
それこそが医療業界にもたらされたICTの技術の実現であると言えるのです。
こうやって全ての医療機関が有機的にネットワークを構築することで、世の中の医療は新しい時代へと向かって行くことになるのだと言えます。